HbA1(ヘモグロビンエーワンシー)と血糖測定

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適切な血糖値を目指すのために

糖尿病は、インスリンの分泌量の低下やインスリンの感受性低下によって、慢性的に高血糖状態が起こる疾患を指します。そのため、糖尿病の治療では、まず高血糖状態を改善するために、適切な食事・運動療法を行い、状況に応じて薬物療法を加えて良好な血糖コントロールを維持することを目指します。

この場合の血糖コントロールの目標は、低血糖や糖尿病昏睡を起こすことなく、糖尿病の慢性期合併症を予防することとなっています。また、血糖コントロールの指標の柱には「HbA1cチェック」と「血糖測定」が用いられています。

HbA1とはどういったもの?

HbA1(ヘモグロビンエーワンシー)とは、赤血球の中にあるヘモグロビンに血液中の糖が結合したものを指します。このHbA1の値をチェックすることで、過去1~2か月の平均血糖値を測定することができます。

HbA1cで血糖値を調べる理由は、通常血糖値では変動が激しいためで、糖尿病の血糖コントロールの指標にするには向かいないためです。一般的に、HbA1の値は4.3%以上5.6%未満が正常値とされています。

血糖コントロール目標値は具体的にどのくらい?

糖尿病の治療目標は、年齢や罹患期間、低血糖の危険性や臓器障害、合併症などを考慮して個人個人に最適なものが設定されます。一般的な治療目標値は以下の通りとなっています。

  • 血糖正常化を目指す場合の目標値:HbA1c 6.0未満
  • 合併症予防のための目標値:HbA1c 7.0未満
  • 治療強化が困難な場合の目標値:HbA1c 8.0未満

糖尿病治療では、これらの目標の他にも、1,5AG、グリコアルブミンといった指標を用いて、厳密に血糖コントロールを行っていきます。厳格な血糖コントロールを行う理由は、高血糖状態が続くことによる合併症リスクを回避するためです。つまり、糖尿病治療最大の目的は、糖尿病合併症をいかに予防するかという点にあると言えるでしょう。

糖尿病治療にかかる医療費

糖尿病の治療にかかる医療費は、合併症の有無や患者の身体的な状態によって大きく異なります。また、糖尿病は生涯を通じて治療を行っていく必要があることも忘れてはいけません。

医療経済研究機構による「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書(平成15年度)」を見ると、糖尿病患者一人あたりの平均医療費は年間24.7万円にも上り、糖尿病が身体的にも経済的にも重い負担を強いる疾患であることが伺えます。